コロナ禍になってから、ドキュメンタリー映画を見る機会が増えたMooiです。
今日は、映画「ムヒカ 世界で一番貧しい大統領から日本人へ」を見に行ってきました。
下記のスピーチを行った、ウルグアイの「世界一貧しい」大統領ということしか知らなかったのですが、気になったので、映画館に足を運びました。
無限の消費と発展を求める社会は、人々を、地球を疲弊させる。発展は幸福のためになされなければならない」。"世界でもっとも貧しい大統領"として知られるウルグアイのムヒカ大統領が、2012年のリオ会議(地球サミット)で行った名スピーチです。
▼下記サイトより引用
上映後、まさかの田部井監督と大島新さんの舞台挨拶を聞くことができました。
映画の中でも感じられましたが、田部井監督のムヒカ元大統領に対する熱く、ひたむきな想いを直接、ご本人から聞くことができました。
最初はニュース番組のトピックのひとつとして、ムヒカ元大統領の取材をされたそうですが、その際に、実際に伝えたかった内容とは異なる報道となってしまい、大きな後悔があったそうです。それはテレビ独特の「切り取り」報道にもあるようでした。
そこで再びウルグアイに渡った田部井監督は、ムヒカ元大統領のドキュメンタリーを撮影することにしたそうです。
大島新さんが「テレビだと途中でザッピング(チャンネルを変える)されてしまうことがありますが、映画ですと、申し上げにくいのですが、えー、お金を払って見て頂いてるので、ほとんどの場合は最後まで見ていただけるので、伝えたいことが伝わる、という面もあります。」というようなことを補足されてました。
田部井監督の「ムヒカを消費している、というとあれなのですが、そういうのはいやだったんです。」というような言葉がまっすぐで誠実で、ムヒカ元大統領と人間同士の交流をされたのだなあ、とこちらまで熱くなってきました。
▼左が田部井一真監督、右がプロデューサーの大島新さん(大ヒット上映中の「なぜ君は総理大臣になれないのか」の監督)
田部井監督がムヒカさんを心から尊敬され、大切な存在として扱ってらっしゃる様子が、舞台挨拶からも伝わってきました。田部井監督個人とムヒカ元大統領の関係も描かれてるので、ムヒカ元大統領を身近に感じることができるドキュメンタリーになっています。
ムヒカさんの言葉のほとんど全てが胸に刺さりましたが、来日時の険しい表情と言葉から、西洋化、技術ばかり追ってきた日本への想いが伝わってきました。東京外国語大学での公演と学生たちとのやりとりでは、男子学生の恋愛観に対し、「ずいぶんと男尊女卑なんだね。」と険しい表情で言うムヒカ元大統領に、「私たちの代わりに言ってくれた。」と感動するも、他の発言には、今の日本についての苦言も溢れていて、胸が詰まりました。
「日本に来て、広島に行かなかったら、日本の歴史に対する侮辱だ。」と言い切る姿も まだ広島に向かう勇気のない私には強く響きました。
現在のウルグアイ副大統領でもある、妻のルシア・トポランスキーさんの強くて優しい表情にも魅かれます。子供を持たなかった理由に、12年間の牢獄生活を挙げられてましたが、その直後に「いい親にはなれなかったと思うし。」と言ってる様子に、政治に人生を捧げた女性の強さと寂しさが溢れていました。ルシアさんについても、これから追って行きたいと思いました。
▼題名になぜ「日本人へ」とあるのか、ムヒカ元大統領の人生を振り返っていく映像からもわかります。
私がプロデューサーを務めたドキュメンタリー映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』が、明日10月2日から公開。田部井一真監督の尋常ではない熱に導かれ、製作に参加した。コロナ禍の今こそ、ムヒカの心に染み入る言葉の数々に触れてほしい。 https://t.co/GBBcOQIkga
— 大島新 (ドキュメンタリー監督) (@oshimaarata) 2020年10月1日
▼穏やかな笑顔の裏には、ゲリラ戦士だった激しい時代、12年間の牢獄生活が隠されていることも知り、政治家としての信念の強さも感じました。
▼都知事選前日に見て、政治への関心を奮い立たせてくれた素晴らしい映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」。あれからオンライン上映も含めて4度も鑑賞してしまいました。
▼富山市議の不正を描いた映画「はりぼて」に登場する政治家とは真逆のムヒカ元大統領の姿にため息が出ましたが、政治家の質は、有権者の責任であることを再認識。
▼ムヒカ元大統領に関するこちらの映画も見たいと思っています。