木曜日
会社帰りに、三菱一号館美術館で開催中の「フィリップス・コレクション」展の内覧会に参加させていただきました。
美術ブログの第一人者・青い日記帳のTakさんと、今回の展示の企画をされた学芸員・安井裕雄さんのトークイベント。
ダンカン・フィリップスさん個人の所蔵品だけで展覧会。
安井さん「個人の想いの詰まったコレクション。この作品群もまさに作品なんです。」
購入した年の順に展示(印象派、などのグループ分けなし)されたり、フィリップス美術館と同じ高さに展示された作品があったり、とダンカン・フィリップスの世界観に浸れます。
ボナールの2作品を並べず、あえて、ボナール・クレー・ボナールの並び。これも本場のダンカン・フィリップスコレクションの職員さんのこだわりだそう。
ボナールの絵の猫と妻マルトのハイタッチが描かれた作品も(写真の右下に描かれた黒猫と女性に注目)。
今は改築中で閉館してるブリヂストン美術館で見て以来、大好きなシスレー。雪の光景の作品もあるんですね。帰宅後にtweetで触れたところ、Takさんより、「青が入ってますね」とコメントをいただき、再び、写真で確認してみると、
雪が積もってる様子は、青によって、リアルになってることがわかりました。
青!気付かなかった!春夏の絵では、青が使われてるのに気づきましたが、雪も青で効果的に。
オランダで雪の中を徒歩で通勤した日々を思い出しました。普通のひとの生活の温度を感じさせるシスレーの作品。やっぱり大好きです。絵の中のひとは、家で家族が待ってるのでしょうね。いいなぁ(独り言)。
通り過ぎる度に見てしまった、セザンヌの「自画像」の頭部。私が今までに見たセザンヌの自画像は、帽子を被ってる事が多かったので、「あ、ハゲてたんだ」と、つぶやきそうになりました。意図的に頭部が光るような照明になってるわけではないと思うのですが、近くで撮ると、もれなく頭部が光りました。
そして、ゴーギャンの「ハム」。
何を思って、ハムを描いて、こんなに背景を黄色くしたのでしょうか。オランダ風俗画には、肉を描いた作品が多いけど、こういう雰囲気ではなく、リアルですし、違いそうです。黄色は、ゴーギャンと同居したことのあるゴッホの黄色でしょうか。煙っているので、さらにスモークにしようとしてるのでしょうか。
次回はオーディオガイドの解説を聞いて、ハムの謎を知りたいと思います。
あとはもう、私のカメラの腕では到底、写すことのできないモネの作品は、ありきたりですが、いろんな色に見えて、正面から、右から、左から、眺めてしまいました。
そして、ドガの定番、バレリーナ。今回、はオレンジの背景に水色の衣装。いつもよりド派手です。でも、この配色、オランダ女子がよく着ていた配色なので、懐かしくもありました。
ミュージアムショップでは、1/12スケールで再現した、ダンカンさんの部屋が!そこには、額も職人が手作りした1/12の「美術館公認の世界一小さい複製画」が!これ、接近して撮影した、ダンカン・フィリップス邸の1/12のドールハウスです。
学芸員の安井さんが、誰よりも空間を楽しまれていたり、ミュージアムショップの平木さんも嬉しそうに、ミニチュアルームや64種類のポストカードを紹介してくださったのが印象的でした。
ダンカン・フィリップスさんだけでなく、三菱一号館美術館の皆さんの想いも詰まった展覧会でした。
余談ですが、学芸員の安井さんが、天井の見える部屋で、ブラインドを雅に上げてくださいました。まるで「少納言よ、香炉峰の雪いかならん」の世界でした。見えたのは雪でなく、光る新幹線と国際フォーラム!夜の内覧会ならではの光景でした。ついつい、渡り廊下から見える、中庭のおしゃれな雰囲気に注目してしまいますが、新幹線と国際フォーラムの近代的な光も素敵でした。
三菱一号館は建物自体も芸術作品なので、部屋の作りはもちろん、窓からの景色も眺められると二倍楽しくなると思います!
今度は午前に伺って、併設のレストランでランチしたいと考えています。
*特別に撮影許可を頂いてます。
#全員巨匠 #フィリップスコレクション展