アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」展 第二弾

銀座のSHISEIDO GALLERYで開催されている「アートが日常を変える 福原信三の美学」の第二弾では、アート、デザイン、建築の領域で社会想像的な活動と芸術の新しい様相を提示するイギリスの建築集団ASSEMBLEのメンバーであるクリスさんとアデルさんが来日され、Liverpoolで地域住民と協同で実施してるGranbee Workshop(以下、WS)を実演し、記録を展示するという展覧会に。

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「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」展のポスター

www.shiseidogroup.jp

運良く当選した1月20日のワークショップに参加。16時ー18時の2時間!

時間軸は逆になってしまいましたが、ここでは、WS後のASSEMBLEのトークイベントを先にご紹介。

 

ASSEMBLEは16名から成る建築家の集団で、建築家としては初めてターナー賞を受賞。今回はルイス氏とアダム氏が来日。各プロジェクトは大体、2名が担当して、週に一度、全員で進捗報告し、意見を出し合うそうです。

 

COLLECTIVE PRACTICEというタイトルでのトークイベント。
ルイス氏、アダム氏、「21_21 DESIGN SIGHT」アソシエイトディレクターの川上典李子さん、資生堂アートハウス学芸員・伊藤さん、そして、通訳の伊勢さん(微妙なニュアンスや長い質問も通訳されてて、素晴らしかったです!!)。

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左からルイス氏、通訳のいせさん(?)、アダム氏、川上さん

 ASSEMBLEは、「人々を巻き込んだプロセスも作品としている。」が特徴の建築家集団。

 

LiverpoolでのGranbee Projectは2012年から始まり、”都市の別のあり方の構築”は現在も続いているそうです。

衰退した地域の住宅を買い取り、スペースに余裕のある建物を建築する企画を立てたが、「地元のコミュニティーを解体させる」という理由で住民に反対された。

そこでGranby Wokshopにおける、制作のためのルールを作成

1)偶然と即興を進んで受け入れることで、二つとないプロダクトをつくる

2)実験的プロセルを取り入れる。しかし、そのかたちはシンプルでなければいけない

3)楽しむ心を忘れず、挑戦を恐れない

4)独創性を豊かに発揮し、ありふれた事物に新たな視線を注ぐ

5)リバプールのグランビー・フォー・ストリーツ地区の、雇用と創作活動の促進をサポートする

 

自分たちの手でGranbee地域を再生することで、現在は、人との繋がりを感じるような、温かい地域に生まれ変わってるそう。

 

改築中の建物では、台所はカフェに、リビングはオフィスに、寝室でASSEMBLEメンバーが泊まっている状態。

常にライブ感のある予測不可能なプロセスがあり、即興的だという。

これは、既存、Socialisedとは真逆で、ASSEMBLEの活動の特徴となっている。

 

そして、2015年、Granbee ProjectのWSで作ったタイルなどを商品として販売すると注目され、メディアの注目をうまく利用して、ターナー賞受賞に結びつけたそうです。

 

現在、このWSは法人化し、今も成長を続け、量産、またはシンプルなプロセスを特徴として、製造を続けている。

 

ルイス氏「ものづくりの価値を根本にして、ある地域に埋め込んだ時、住民に与える影響は、コントロールできない。10年後、20年後、いえ、50年後にどういう形に変化し、進化するかに興味がある」

 

Q&A

1) 陶器を作る重要性は?

アダム氏「土を使う理由なんて、考えたことがなかった。ただ、安価で、手に入れやすくて、さわりたくなる。ただ、粘土は奥深くて扱うのが難しく、多様な用途があって、楽しい」


ルイス氏「日本のものづくり文化は、イギリスとは全くちがう。益子という地域が工芸に特化しているのが珍しかった。イギリスでも昔は存在していたのかもしれないけど。」

 

2)建築の未来については?

ルイス氏「建物とヒトとの関係性が、食文化のように身近になってほしい。たとえば、おいしい→作ってみる→シェアすることで社会的になる、みたいにね。」

 

実際のWorkshop体験について

到着とと同時にエプロンを着用(事前に「汚れても良い服」と言われてた)し、ASSEMBLEのメンバーとGranby workshopのメンバーの紹介。

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作業場となったSHISEIDO Galleryの展示室

 今回のWSでは、スリップキャスティング(鋳込み成形)という、石膏の型に液状の土を鋳込む方法で、お皿などを作成することに。

 

土の液を作る工程などはASSEBLEとGranby Workshopの皆さんが実施してくださり、私たちは、濾し器でろ過するところから参加。

泥なので、重くて、一人が液体を流し込む係、もうひとりが濾し器を持つ係。

 

石膏の型は8種類あり、組み合わせによって、数千もの異なるものが作成でき、そこがユニーク。

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石膏の型を組み合わせて、シリコンバンドで止めたところ

参加者それぞれが型を組み合わせて、シリコンバンドで固定し、そこに土の液を流し込み、乾燥棚に移動させ、しばし待ちます。待ってる間に、さらに同じ工程を繰り返して、異なる組み合わせの型を作成し、流し込む!

結構な力仕事でした。

 

水分が抜けて、土が縮んで、型との間に隙間ができたら、生地をゆっくり取り出します。型の組み合わせによっては、取り出す時に壊れるものも。。。

 

生地のでこぼこを取り除き、濡れたスポンジでぬぐって、陶土の細かい粒を除去!

そして、ルイスさん、アデルさんのチェックに通過すると、乾燥棚へ設置し、WSの工程は終了。

 

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乾燥棚に置かれた作品たち(益子の釜で焼く前)

その後、1月23日から益子の釜で順次、焼いていくそうです。

2月7日以降、作品をいただけるので、今から楽しみです!!