アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

EUフィルムデーズでは、520円で映画を鑑賞できる!『エッシャー 無限の旅』などの作品を全国上映前に鑑賞できるチャンス!(東京~6/27, 京都6/7~30, 広島7/3~7/13,福岡7/18~7/28)

5月31日から始まった、EUフィルムデーズに行ってきました。

▼国立映画アーカイブの玄関

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東京、京都、広島、福岡の4箇所で開催!期間が違うので、HPで確認を!

東京での開催は

開催期間:5/31(金)-6/27(木)

場所:国立映画アーカイブ

(最寄駅:東京メトロ銀座線京橋、都営浅草線宝町駅A4出口)

鑑賞料金がやたら安い!

前売・当日共通料金:

一般 520円

高校・大学生・シニア 310円

小・中学生 100円

当日券のみ

障がい者(付添者は原則1名様まで)

キャンパスメンバーズ無料

当日券の発券

2階 長瀬記念ホールOZU受付

定員310名(広くないので、お早めに)

(各回入替制・全席自由席)

  • 前売券は別途発券手数料がかかります。
  • 学生・シニア(65歳以上)、障がい者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
  • 当日券の発券は、定員に達し次第締切となります。

あまり普及してない印象?

EUフィルムデーズはtwitterおよびFacebookでも宣伝しています。ただ、個人的な印象ですが、私の周りでは知ってる人が少ないです(オランダ大使館職員をしてる知人と話して、「今年はエッシャーの映画ですよ」と聞いたけれど、他の友人知人から聞いたことない)。

毎日違う国の映画を違う時間で開催してるので、事前にスケジュールチェック必須!

毎日、違う国の映画を上映し、それぞれの国の映画を期間内に2回上映しいていますが、何も法則性がないので、観たい映画を見つけたら、2回の上映スケジュールを確認しましょう!

上映作品 | EUフィルムデーズ 2019

 

eufilmdays.jp

ほとんどの作品にゲストトークが付いてるので、感動!

ほとんどの映画には、監督などのゲストのトークイベントが付いています。これにはびっくりです。520円ですよ。。。

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 私は、オランダ映画の『エッシャー 無限の旅』を鑑賞してきましたが、上映終了後、ロビン・ルッツ、マラインケ・デ・ヨング(監督)のトークイベントを拝聴してきました。

 

▼これは冒頭の刺青ですが、この人物はエッシャーではなかった。

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映画の内容を書いてしまうとネタバレになってしまうのですが、エッシャーの作品が初期から晩年まで、偏ることなく登場し、エッシャーの日記などの言葉が、そのまま、映画内で使用され、二人の息子さんの証言もあり、リアリティを追求したドキュメンタリー映画でした(書けないけど、遊び心も感じられる箇所も)。

ロビン・ルッツ
エッシャーの作品は知られてるが、彼自身は知られてないので、紹介したかった」

マラインケ・デ・ヨング

「彼の作品は、現代にもインスピレーションを与え、ネットやCMで、彼の作品を発展させたような作品も使われてる 。

この映画では、作品とともに、彼の言葉も伝えてる。」

 

ルッツさん、デ・ヨング監督の言葉からも、エッシャー自身の言葉に忠実に、映像を組み合わせていったことがわかりました。

デ・ヨング監督は、「私は妄想が広がってしまいがちで、彼女は100%エッシャーの言葉を表現したいと主張したので、しょっちゅう、喧嘩した。でも、彼女が言葉にこだわってくれたので、今回のような作品ができました。」と満足そうでしたが、ルッツさんは、エッシャーの膨大な日記や手紙などの資料を今でも収集し、研究されてるそうで、第二弾の映画が登場する可能性もあるかも?なんて、思いました。

 ▼あくまで個人の印象ですが、オランダ本国よりも、日本の方がエッシャー関連本(一般人向け)がはるかに多いと思います。本場のエッシャー美術館にもBunkamuraで開催の『ミラクエッシャー』展の図録が販売されてましたし(汗)

M・C・エッシャー (ちいさな美術館)

M・C・エッシャー (ちいさな美術館)

 

 ▼オランダにいた時、数学者の知人が、着用していたのはエッシャーのTシャツで、気づいたら最後、延々とエッシャーの話をされたのも懐かしい思い出。

 

観客が質問し放題(時間制限あり)

観客からの質問タイムがあったのですが、エッシャーが好きな方は、本当にエッシャーに魅入ってしまっているので、熱心なファンが多く、感想や質問が素晴らしかったです!

 

質問エッシャーの作品は日本の影響を受けてるのでしょうか。」

回答エッシャーの父は日本でエンジニアをしてた。エッシャーは日本に滞在してないが、父が日本の版画を持ち帰り、それらに影響を受けてると考えてる。エッシャーの文章で残されてる。魚や波などは、まさに浮世絵から影響を受けてると思われる。」

断定されてませんが、エッシャーの父親が日本でエンジニアをしていたなんて、初めて知ることができ、質問してくださった方に感謝です!

 

観客「作品中の音楽が印象的でした。バッハ以外の曲はどのようにして選びましたか?」

回答エッシャーと関係ある音楽を使いました。エッシャーはバッハが好きで、コンサートにもよく通ってました。また、バイオリンやビオラを使った理由は、エッシャーの文章に、『バイオリンやビオラの音色は私を涙させる音を出す』と残っているからです。また、エッシャーの甥の家に隠れていた作曲家の曲も使いました。ロックの曲は、バッハの曲をロック調にしたものです。」

 

他にも、映画を撮影してる学生からのドキュメンタリー映画を撮影する際に大切にしてること、など、深い質問が多く、ルッツさんも監督も大満足のようでした。

 

エッシャーについて、ほとんど知識のない私には、本当に勉強になって、エッシャーに興味が湧いてくる質問コーナーで、感動しました。観客の皆さんにも本当に感謝です。

今後、配給の可能性がある作品も520円で鑑賞できる!お得!

この『エッシャー 無限の旅』ですが、2019年9月より、配給されることが決定してるそうです。それなのに、EUフィルムデーズでは520円で鑑賞できた上、監督たちのトークイベントから質問コーナーまで。

なんて贅沢な映画鑑賞会なのでしょう!

 

ぜひ足を運んでください

ヨーロッパというと、イギリス、フランス、ドイツなどの大国の映画をイメージされるかもしれません。

でも、このEUフィルムデーズの醍醐味は、地理の授業でしか耳にしたことのないような小国、何が特産物かも知らない小国の映画を、その国の言葉で、字幕付きで鑑賞できることではないでしょうか。

 

520円という少額で、飛行機だったら乗り継ぎが必須の国へ飛び立てるのです。しかも、その国出身の監督などのお話が聞ける可能性まで。

素晴らしいEUフィルムデーズ、各映画の上映時間もそんなに長くないので(エッシャー映画は80分)、気軽に鑑賞なさってみてください。

 

 ▼実際に映画に登場する景色を観に行く旅行もいいですね。ヨーロッパではないですが、香港で『恋する惑星』に出てくる長いエスカレーターに乗った時は感動しました!

映画絶景旅!  ~ヨーロッパ編~ (JTBのムック)

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 ▼長い歴史のヨーロッパ、本もいいのですが、映画で学ぶのが一番早い気がします。

ヨーロッパを知る50の映画

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