5月31日から始まった、EUフィルムデーズに行ってきました。
▼国立映画アーカイブの玄関
東京、京都、広島、福岡の4箇所で開催!期間が違うので、HPで確認を!
東京での開催は
開催期間:5/31(金)-6/27(木)
場所:国立映画アーカイブ
鑑賞料金がやたら安い!
前売・当日共通料金:
一般 520円
高校・大学生・シニア 310円
小・中学生 100円
当日券のみ
障がい者(付添者は原則1名様まで)
キャンパスメンバーズ無料
当日券の発券
2階 長瀬記念ホールOZU受付
定員310名(広くないので、お早めに)
(各回入替制・全席自由席)
- 前売券は別途発券手数料がかかります。
- 学生・シニア(65歳以上)、障がい者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
- 当日券の発券は、定員に達し次第締切となります。
あまり普及してない印象?
EUフィルムデーズはtwitterおよびFacebookでも宣伝しています。ただ、個人的な印象ですが、私の周りでは知ってる人が少ないです(オランダ大使館職員をしてる知人と話して、「今年はエッシャーの映画ですよ」と聞いたけれど、他の友人知人から聞いたことない)。
明日EUフィルムデーズが開幕。オランダ作品は【エッシャー 無限の旅】。日本初公開!『だまし絵』で有名なエッシャーが書いた手紙や日記などに基づくエッシャーの人生と作品のドキュメンタリー。東京、京都、広島、福岡で上映。https://t.co/6H8sWt9qZs pic.twitter.com/2AKMiQqy9F
— 駐日オランダ王国大使館・総領事館 (@NLinJapan) May 30, 2019
毎日違う国の映画を違う時間で開催してるので、事前にスケジュールチェック必須!
毎日、違う国の映画を上映し、それぞれの国の映画を期間内に2回上映しいていますが、何も法則性がないので、観たい映画を見つけたら、2回の上映スケジュールを確認しましょう!
ほとんどの作品にゲストトークが付いてるので、感動!
ほとんどの映画には、監督などのゲストのトークイベントが付いています。これにはびっくりです。520円ですよ。。。
私は、オランダ映画の『エッシャー 無限の旅』を鑑賞してきましたが、上映終了後、ロビン・ルッツ、マラインケ・デ・ヨング(監督)のトークイベントを拝聴してきました。
▼これは冒頭の刺青ですが、この人物はエッシャーではなかった。
映画の内容を書いてしまうとネタバレになってしまうのですが、エッシャーの作品が初期から晩年まで、偏ることなく登場し、エッシャーの日記などの言葉が、そのまま、映画内で使用され、二人の息子さんの証言もあり、リアリティを追求したドキュメンタリー映画でした(書けないけど、遊び心も感じられる箇所も)。
ロビン・ルッツ
「エッシャーの作品は知られてるが、彼自身は知られてないので、紹介したかった」
マラインケ・デ・ヨング
「彼の作品は、現代にもインスピレーションを与え、ネットやCMで、彼の作品を発展させたような作品も使われてる 。
この映画では、作品とともに、彼の言葉も伝えてる。」
ルッツさん、デ・ヨング監督の言葉からも、エッシャー自身の言葉に忠実に、映像を組み合わせていったことがわかりました。
デ・ヨング監督は、「私は妄想が広がってしまいがちで、彼女は100%エッシャーの言葉を表現したいと主張したので、しょっちゅう、喧嘩した。でも、彼女が言葉にこだわってくれたので、今回のような作品ができました。」と満足そうでしたが、ルッツさんは、エッシャーの膨大な日記や手紙などの資料を今でも収集し、研究されてるそうで、第二弾の映画が登場する可能性もあるかも?なんて、思いました。
▼あくまで個人の印象ですが、オランダ本国よりも、日本の方がエッシャー関連本(一般人向け)がはるかに多いと思います。本場のエッシャー美術館にもBunkamuraで開催の『ミラクルエッシャー』展の図録が販売されてましたし(汗)
▼オランダにいた時、数学者の知人が、着用していたのはエッシャーのTシャツで、気づいたら最後、延々とエッシャーの話をされたのも懐かしい思い出。
観客が質問し放題(時間制限あり)
観客からの質問タイムがあったのですが、エッシャーが好きな方は、本当にエッシャーに魅入ってしまっているので、熱心なファンが多く、感想や質問が素晴らしかったです!
質問「エッシャーの作品は日本の影響を受けてるのでしょうか。」
回答「エッシャーの父は日本でエンジニアをしてた。エッシャーは日本に滞在してないが、父が日本の版画を持ち帰り、それらに影響を受けてると考えてる。エッシャーの文章で残されてる。魚や波などは、まさに浮世絵から影響を受けてると思われる。」
断定されてませんが、エッシャーの父親が日本でエンジニアをしていたなんて、初めて知ることができ、質問してくださった方に感謝です!
観客「作品中の音楽が印象的でした。バッハ以外の曲はどのようにして選びましたか?」
回答「エッシャーと関係ある音楽を使いました。エッシャーはバッハが好きで、コンサートにもよく通ってました。また、バイオリンやビオラを使った理由は、エッシャーの文章に、『バイオリンやビオラの音色は私を涙させる音を出す』と残っているからです。また、エッシャーの甥の家に隠れていた作曲家の曲も使いました。ロックの曲は、バッハの曲をロック調にしたものです。」
他にも、映画を撮影してる学生からのドキュメンタリー映画を撮影する際に大切にしてること、など、深い質問が多く、ルッツさんも監督も大満足のようでした。
エッシャーについて、ほとんど知識のない私には、本当に勉強になって、エッシャーに興味が湧いてくる質問コーナーで、感動しました。観客の皆さんにも本当に感謝です。
今後、配給の可能性がある作品も520円で鑑賞できる!お得!
この『エッシャー 無限の旅』ですが、2019年9月より、配給されることが決定してるそうです。それなのに、EUフィルムデーズでは520円で鑑賞できた上、監督たちのトークイベントから質問コーナーまで。
なんて贅沢な映画鑑賞会なのでしょう!
ぜひ足を運んでください
ヨーロッパというと、イギリス、フランス、ドイツなどの大国の映画をイメージされるかもしれません。
でも、このEUフィルムデーズの醍醐味は、地理の授業でしか耳にしたことのないような小国、何が特産物かも知らない小国の映画を、その国の言葉で、字幕付きで鑑賞できることではないでしょうか。
520円という少額で、飛行機だったら乗り継ぎが必須の国へ飛び立てるのです。しかも、その国出身の監督などのお話が聞ける可能性まで。
素晴らしいEUフィルムデーズ、各映画の上映時間もそんなに長くないので(エッシャー映画は80分)、気軽に鑑賞なさってみてください。
▼実際に映画に登場する景色を観に行く旅行もいいですね。ヨーロッパではないですが、香港で『恋する惑星』に出てくる長いエスカレーターに乗った時は感動しました!
▼長い歴史のヨーロッパ、本もいいのですが、映画で学ぶのが一番早い気がします。