アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

展覧会の中止、延長で失われる機会、そして、「今を楽しく」

5月12日より再開予定だった国立の博物館、美術館。東京都の要請により、再開前に臨時休館の延長、展覧会の会期中の中止になってしまいました。

昨年は感染症を防ぐため、少しでも早く収束させるため、と我慢できましたが、今回はいち早く開けてほしいという気持ちの方が強くなりました。

それは、昨夏の公開から延期され、今春、やっと始まった「国宝 鳥獣戯画のすべて」展を見に行った時に、ある光景を目にしたからです。

話題となっている「動く歩道」で鑑賞する甲巻で、私の少し前の方で鑑賞されてる男性が、カバンの外側のポケットに写真を出していました。

男性が鳥獣戯画を見せている、その写真に写ってらっしゃったのは、たぶん、奥様と思われる女性でした。

もしかしたら、昨夏に予定通り、この展覧会が実施されていたら、奥様と思われる女性と一緒に見に来られたのかもしれません。

展覧会の中止、延長は、健康であったり、若い時には、「待てばまた見られるだろうし。」と思えるものですが、高齢や病気の方には、そんな時間がないのかもしれないのです。

次の季節、次の年を迎えられない、または何らかの事情で展覧会に足を運べなくなる場合もあるかもしれないのです。

1年近くの延期となり、夏、秋、冬、そして春を迎えての再開となった「国宝 鳥獣戯画のすべて」展。

展覧会はもちろんですが、東京国立博物館の青い空とともに、女性の写真に鳥獣戯画を見せていた、あの男性の姿が忘れられません。

[blogcard url="https://chojugiga2020.exhibit.jp/"]

一回りほど上の女性の友人が話していた、「オランダに行って、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》を見るのが夢なの。それまで元気でいないとね。」という言葉も頭をよぎっています。

医薬品の開発に携わっていた者としては、外出しないことが一番の感染症対策ということは重々承知しています。

それでも何か、やるせない気持ちが収まらないほど、今回の再開予告からの休館のニュースで大切な何かが失われていくのを感じました。

うまく言葉にできませんでしたが、この気持ちを忘れないよう、綴っておくことにしました。

そんなやるせない気持ちを抱えていた際、新型コロナウイルス感染症から回復された100歳の女性の言葉が胸に響きました。

「(余生でやりたいことは?)申し訳ないが、私は余生、余りという言葉が嫌い。余生じゃなくて、「今を楽しく」が私の座右の銘。だから、余った命ではなくて、その日その日をまだまだ生きていきます」

「いつ再開なのか、このまま中止なのか」と不安と苛立ちが募りますが、この女性のように、「その日その日」を感じて過ごしていくと、どんな逆境でも「今を楽しく」という心境に達することができるのかもしれません。

[blogcard url="https://www.ytv.co.jp/press/kansai/96759.html"]

▼今回、再開を発表したにも関わらず、東京都の要請により休館となった国立の美術館への寄附はこちらからどうぞ。

寄附の金額に応じて、鑑賞チケットやグッズなどがいただけます。

[blogcard url="https://kifu.artmuseums.go.jp/"]

▼マスクの購入で、あの美術館を応援できるかも!?

[blogcard url="https://mooi-desu.com/entry/mask_hokimuseum"]