アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

蒲田シビタス〜池上梅園〜龍子公園〜龍子記念館

Twitterとblogでの美術鑑賞後の感想が面白いだけでなく鋭い、カエル好きさんとDMを交わし、大田区で会うことに!
蒲田の駅ビルにあるシビタスでホットケーキを。

シビタスは50年来の喫茶店で、駅ビルの改築にも負けず、残ってる老舗。

以前食べたのは何年も前なので、少し小さくなったような気もしましたが、久しぶりに最後まで美味しいホットケーキに出会えた!という感じでした。

ほとんどのホットケーキ(パンケーキ)は2枚めで飽きます。。。 

tabelog.com

 

その後、第一目的地である池上梅園へ。

 東急蒲田駅から東急池上線に乗り、2つ目の池上駅へ。池上駅に到着しバス停側に向かうと、「池上梅園」と大きく書かれた看板が池上駅から2つ目のバス停「本門寺裏」で下車。話に夢中になり、バス停に気づかなかった私たち。

運転手さんがアナウンスで「池上梅園はこちらですよ〜」と教えてくださいました。ありがとうございます!

hanasjoho.com

池上梅園の梅は、6分咲。

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八重羽織という品種が、場所によっては、ほぼ満開でした。

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日本に4本のみ現存している希少種「座論梅」

この池上梅園は、美人画で有名な伊東深水の自宅兼アトリエがあった場所です。マンションを立てるという計画もあったそうですが、料亭を経営されていた小倉さんという方が購入され、大田区に寄贈してくださったそうです(素晴らしい方ですね)。

小倉さんのお蔭で、370本(白梅150本・紅梅220本)の梅を愛でることができ、日本には4本しか現存していないという「座論梅」。1つの枝の周りに花が複数咲く様子が、賢人を中心にして話し合いをしているように見えるそうで、「座論梅」というそうです。

お天気だったので、梅をゆっくり愛でた後、いよいよ龍子記念館へ。私たちは諸事情でタクシーで向かいましたが、池上梅園から龍子記念館まで徒歩15〜20分くらいです。坂道があるので、距離以上に時間がかかります。

この二箇所をめぐることが、春の大田区ではかなりおすすめのコースです。

無事に到着したところ、twitterでは各展覧会に合わせた装いが素敵な、川端龍子推し女子(Yさん)のご案内で、「龍子記念館」と「龍子公園へ」へ!

 

現在は「古典と革新 画壇に挑みつづけた男」(~平成31年4月14日(日))を開催中です。

龍子記念館は、川端龍子自らが設計し、大きな作品も展示できるよう、当初は自然光で鑑賞できるように配慮された建物です。現在は自然光では見られませんが、ガラス越しでなく、直に龍子の作品を鑑賞できる、最高の建物であることは間違いないでしょう。上から見ると、タツノオトシゴの形のようなのですが、その構造が「ジグザグ面から作品をチラ見できる」、「巨大な作品を離れて鑑賞することができる」、など、他の美術館などでは見られない角度、距離で作品を楽しめます。

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「古典と革新 画壇に挑みつづけた男」のフライヤーは、《炎庭想雪図》(部分)1935年

まず、日暮れ前に龍子公園へ向かいました。

川端龍子の自宅兼アトリエのあった場所が公園となっており、1日に3回(10時、11時、14時)、解説付きで案内をしてくださいます!

このブログでは、少しだけ写真を。

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玄関を抜け、龍のようにくねくねした道をゆくと、蹲(つくばい)が。

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川端龍子のアトリエ 50畳、天井は4mも!

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仏間 今はトーハクで保存されてる仏像や俵屋宗達伝の襖があったという。

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客間の木彫のモチーフ。アール・デコっぽいような。日差しによっては金属にも

1月に初めて来館した際は、蹲(つくばい)に植えられているリュウノヒゲ(龍子なので、いろいろなところに龍に関連する植物や模様)の実が!はっとするような、ラピスラズリのような青で、驚きました。

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リュウノヒゲの実!ラピスラズリのような青!

 

記念館に戻り、作品を鑑賞。

 日本画家・川端龍子(1885-1966)は、「床の間」を飾ってきた旧来の日本がに対し、「会場芸術」を主張し、展覧会場において作品と時代、そして、監修を結びつけることを目指しました。そのために龍子は、大衆の関心の高い時事問題やそれまあ使われてこなかった革新的なテーマを日本画に取り込み、画壇の風雲児とも呼ばれました。しかし、並行して古典的なテーマにも龍子は挑み「古今つ相通ずるものがあるべき」と、その現代的なあり方を模索しています。
(展覧会のフライヤーより引用)

 

夏の植物であるバショウが雪景色の中に描かれた、フライヤーにも採用されている《炎庭想雪図》(1935年)や、死を扱っているのに優しいファンタジーのようにも見える《夢》など、現実にはありえないことを描かれており、龍子の、そのような現実にないものや景色を描けるのが画家、のような言葉も残されてました。

第一回帝展に出展された《茸狩図》では、帝展の示す権威を茸にたとえ、それを女性が積んでぽきっと折る、というメッセージも込められていたとか。この絵も独特な雰囲気で、実際に見ないと、この雰囲気は伝わって来ないと思います。龍子はその後、第2回以降の帝展には出展されてないそうです。

 《霹靂(はたたく)》 という富士山を描いた作品の雲の激しさには、「72歳の時に富士登山」時と記載されており、もともとは記者だった川端龍子の「自分の目で見て描く」という気概のようなものを感じました。近くで鑑賞した際と、離れて鑑賞した際の印象が全く異なる作品で、とても好きになりました。

 

川端龍子といえば、個人的には山種美術館で開催された「没後50年記念 川端龍子-超弩級の日本画-」のイメージが強く、「大きな絵」「他の日本画より新しい感じ」という印象が強く、名前が「龍子」なので、力強いイメージもありました。

でも、記念館では、奥の細道を巡った際の俳句があり、俳句に添えた絵がどれもかわいらしく、鳴子ではこけしなどが描かれています。こんなに小さい作品もあるのか、とイメージが変わりました。

 

龍子記念館は駅から離れてるのですが、

JR大森駅山王口より東急バス4番から荏原町駅入口行き乗車臼田坂下バス停にて下車徒歩約2分または、

都営浅草線西馬込駅から徒歩で15分

です。

また、

開館時間は9:00-16:30(入館は16時まで)

入館料は大人200円、小・中学生100円

休館日は月曜日

 

学芸員の木村さんのお話では、5月の10連休は開館されてるとのこと!!びっくりですが、嬉しいです。

www.ota-bunka.or.jp 

龍子記念館に閉館ギリギリまで居座ってしまいましたが、大森駅に出て、カエル好きさんとYさんと3人で、葡萄屋で英国式お茶会を楽しみ、今日1日、そしてカエル好きさんのフランスひとり旅の話(フランスのいい話と悪い話が半々ww)を爆笑しながら拝聴し、楽しいひとときを過ごしました。

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本格的な紅茶が何種類も!葡萄屋の2階はギャラリーです

追記:9月7日にオープンした勝海舟記念館と一緒に巡ることができる!

勝海舟記念館、ついにオープンしました!大田区の事業なので、ホームページはまだまだイケてない(涙)。

www.city.ota.tokyo.jp

そんな勝海舟記念館と龍子記念館は、バス一本ではしごできることを教えていただいたので、シェアします!

 森05バスの運行経路は、こんな感じです。事前に時刻表などを確認して向かわれると安心だと思います。

帰りは大森で商店街散策もよし、馬込文士村レリーフを眺めるもよし、ですね。

busmap.info