今年も尾形光琳筆『燕子花図屏風』に会いに、根津美術館へ向かい、東京ステーションギャラリーで開催中の『ルート・ブリュック』展に先んじて始まった『ルート・ブリュック イントロダクション』を観に、TOBICHIへ。
『尾形光琳の燕子花図-寿(ことほ)ぎの江戸絵画』根津美術館
尾形光琳の燕子花図 寿ぎの江戸絵画
2019年4月13日(土)~5月12日(日)
休館日:(月)、5月7日(火)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
夜間開館:5月8日(水)~12日(日) 午後7時まで開館(入館は午後6時30分まで)
入場料:一般1300円 学生1000円 *20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
今ではもう、尾形光琳筆『燕子花図』を見ないと、初夏はやって来ない、と思ってしまうほど、できれば毎年、会いたい作品です。
国宝『燕子花図屏風』は、ポスターの写真を見て、「教科書や図録で見た!」という方も多い国宝です。
尾形光琳(1658-1716)が描いた国宝『燕子花図屏風』は、草花を描いた屏風であると同時に、平安時代の歌人でプレーボーイとして知られていた在原業平が主人公の『伊勢物語』の一節である『八橋』の場面を描いているそうです。
今回の展覧会『尾形光琳の燕子花図-寿ぎの江戸絵画-』では、第一章 王朝文化への憧れ、第二章 草花を愛でる、第三章 名所と人の営みを寿ぐ、という、三部構成になっていました。
例年よりも、人物を描いた屏風や掛け軸の展示が多かったです。第一章では、住吉具慶筆『源氏物語図屏風』が源氏物語の世界を繊細な筆使いで描いており、人物の表情や着物はもちろんですが、調度品も見どころです。また、第三章では、
『洛中洛外図屏風』は京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の華やかさ、賑やかな様子が、金色の霞によって、一層、引き立っています。
第二章は、国宝『燕子花図屏風』を含む展示となっていますが、山口素絢筆『草花図襖』は、円山応挙の高弟であるだけに、円山応挙の筆使いにも似た草花図と
尾形光琳は琳派という、俵屋宗達と本阿弥光悦によって始められた琳派に分類されますが、この本がわかりやすかったです。
国宝『燕子花図屏風』を鑑賞した後は、ぜひ庭園で、本物の燕子花をご覧になってください。絵の世界そのままに、燕子花が咲き乱れる様子には、毎年のことですが、感動します。
燕子花の開花の様子は、根津美術館のtwitterやfacebookで更新されてるので、チェックされてから来館されるのがおすすめです。
開館中:入館待ちなし
— 根津美術館 (@nezumuseum) April 25, 2019
今朝の庭園からお届けします。昨日からの恵みの雨を受けて、開花が加速中です。フジも伸びてきました。
「尾形光琳の燕子花図―寿ぎの江戸絵画」は5/12まで。GW中は休まず開館いたします。#根津美術館 pic.twitter.com/fC5vo0MkYp
庭園にはNEZU CAFEという、おしゃれなカフェがあります。連休中は行列ができるので、早めのランチやお茶をおすすめします。
庭園を散策した後は、2階の展示室へ。こちらでは、根津美術館が誇る青銅器の作品や箱、茶道具を見ることができます。
青銅器の中ではダントツで、『双羊尊』が好きです。根津美術館入館の際に渡されるチケットも、『双羊尊』のデザインで、毎回、何色か楽しみです。
【展示室5】机上を彩る箱では、
『芙蓉図硯箱』の箱の裏の トンボの螺鈿が素敵だったり(鏡を置いて見せてくださってる)、『月に烏蒔絵卓』の月の銀細工と烏の黒の色合いが良かったです。
また、【展示室6】風薫る茶席で毎回楽しみにしているのが、所蔵品で実際に、茶室を作っているコーナーです。
『一重切花入 銘 藤浪』という花入がとても素敵でした。 はっきり言って、ただの竹なのですが、割けた右側部分を銅や鉄などの4つの鎹で止め付けています。それがなんとも言えず、味わい深いのです。若い頃はこんなことは感じなかったのですが(苦笑)。
また、茶杓は館長さん作です!
これは要注目です。
『竹翡翠蒔絵手付煙草盆』は、今見ても「かわいい!」と人気になりそうな、カワセミモチーフが付いた、タバコを運ぶだけではもったいないような盆となっていました。
毎年、この時期に国宝『燕子花図屏風』を公開してくださる根津美術館さんですが、毎年、同時展示品によって見せ方が違うので、全く飽きない展覧会です。
そんな根津美術館から徒歩3分ほどのTOBICHIへ移動
『ルート・ブリュック イントロダクション』展TOBICHI
4月27日より始まった、フィンランドを代表するセラミックアーティストであるルート・ブリュックの日本初個展に先立って開催されているのが、TOBICHIの展覧会です。
東京ステーションギャラリー開催の展覧会概要は、下記リンク先をご参照ください。
展覧会といっても、小さな一室ですが、近くで作品を鑑賞できたり、撮影可なので、おすすめです。
5月6日まで開催。19時まで開館しています。
東京ステーションギャラリーでも手に入ると思いますが、関連書籍や図録も販売されています。4月28日現在では、関連グッズもまだ豊富にそろってましたよ。
東京ステーションギャラリーの展覧会で鑑賞する前、鑑賞した後、どちらでもおすすめの展覧会です。
ブルーシープ
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モグラとクジラ-土にもぐる、海にもぐる
この展示は全く知らずに、TOBICHIの3軒隣のTOBICHI2に行って、驚きました。
国立科学博物館「大哺乳類展2」 とのコラボ企画です。
モグラの専門家・川田伸一郎先生と
クジラの専門家・田島木綿子先生のご協力で実現した、モグラとクジラを紹介している展示なのですが、なんと!モグラの剥製に触れたり、マッコウクジラの歯や、「ジュゴン」と「オウギハクジラ」の肋骨の重さを持って比べられます!
びっくりの企画でした。まさか、青山でモグラの毛がどんな感じが知ることができたり、クジラの歯や、ジュゴンの肋骨を持ち上げることができるなんて、思いませんでした。
お子さんがいらっしゃる方はぜひぜひ!
今、私が一番行きたいのは瀬戸内国際芸術祭!公式ガイドブックとtwitterを眺めては、思いが募ってます。
美術出版社 (2019-04-23)
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大哺乳類展2の特設ホームページ