徳仁親王著「テムズとともに-英国の二年間- 」を読んだ感想と影響
平成最後の日。
普通の日として終わると思っていたが、今上天皇の、天皇陛下としての最後のお言葉は胸にくるものがあった。
一方で、昔のことも思い出した。
短い間だったが、学習院で学んでいたことがある。
法学部に所属していたため、憲法の講義は必須であり、日本国憲法第一条 第一章は「天皇」であるので、最初に学んだ法律である。
その時まで、全然気にしなかったけれど、皇族には苗字がないこと、参政権がないことなど、色々なものがないこと、当時の教授によると、「基本的人権もない」ということを聞き、衝撃を受けた。
その後、他の授業で、皇太子殿下が、オックスフォード留学の2年間の生活について執筆された、「テムズとともに」という本を読んで感想を提出する、ということがあった。
皇室関連の展覧会
日頃、皇室ファンでも何でもないのだが、3月、4月と皇室関連の展覧会に足を運ぶ機会が多かった。明治時代から現在までの皇室文化は、明治の超絶技巧や、日本の伝統的な絹織物を鑑賞する機会としても、優れた展覧会が多いように感じている。
先日、出張先が日本橋だったので、就業後、日本橋高島屋で開催されていた(期間終了)「御即位30年 ご成婚60年記念 特別展 国民とともに歩まれた平成の30年」展に。天皇皇后両陛下が全国各地に足を運ばれていたのはニュースなどで知っているつもりだったが、その数の多さに圧倒される写真と各土地の名産品の数々であった。
また、銀座に行った際に通りがかって寄ってみた、ミキモト銀座四丁目本店で開催中の「ようこそ、ボンボニエールの世界へ」(無料)。ボンボニエールとは、日本の皇族の慶事の引き出物として使用されてる、銀製や陶器製の箱。中には金平糖が入っている(実際には見たことないけど)。
こちらの展覧会は、回転台に乗って展示されているボンボニエールがあるので、とても見やすい。形や素材が多種多様に富んでいて、小さいながらも存在感があり、見ているだけで楽しくなる。
また、同じく5月10日(金)まで開催しているのが、泉屋博古館分館(六本木一丁目駅または神谷町駅)で開催されている「明治150年記念 華ひらく皇室文化-明治宮廷を彩る技と美-」。こちらの様子は下記リンク先のブログに書かせていただいたが、明治時代の超絶技巧の職人たちの技の饗宴と言ってもいいほど、精巧な芸術品が展示されていたので、皇室に興味がない方も楽しめるかと。
学習院史料館では、5月18日(土)まで、「華ひらく皇室文化」が展示されている。学習院史料館は、皇太子殿下が研究員としてご勤務されていたことがあり、News letter No.40では、珍しい、白衣姿の皇太子殿下や、ご自身が4歳の時の慶事の際に作られたボンボニエールの思い出なども綴られていて、興味深かった。
これもまた偶然だが、静嘉堂文庫美術館で開催中の「日本刀の華 備前刀」展(-2019年6月2日まで)でも、宮内庁三の丸所蔵尚蔵館所蔵「太刀銘 備前国長船光忠」という、今上天皇陛下のご生誕を祝った際に贈られた刀剣も展示されていた。
元号改定は、美術館巡りが趣味のひとにとっても、貴重な作品と出会える機会になると思う。
そういえば、昨日、お茶をした、自由が丘の「古桑庵」には、昭和天皇の即位の礼の際に引き出物として下賜されたボンボニエールが展示されていた。祇園祭りの山鉾っぽいデザイン。