アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

DIC川村記念美術館 所蔵品編

ずっと憧れていた、DIC川村記念美術館へ行ってきました。

出発前にオーディオガイドのアプリをダウンロード

DIC川村記念美術館は音声ガイドを無料アプリで配布しています!館内入り口の部屋はWiFiが使用できますが、家で前もってダウンロードしておくと、スムーズです。中国語も対応しているので、中国語圏の方も使用されてました。鑑賞の際は、イヤホン、ヘッドホンを忘れずに!

iPhoneアプリiOS6.0以降)

https://appsto.re/jp/6nXm9.i

Androidアプリ(2.3 以上)

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.acoustiguidemobile.am_dic&hl=ja

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東京駅から高速バスで1時間!

今まで、自宅からのアクセスは、京成線で佐倉駅に出てバスしかないと思い込んでいました。

最近、知人よりTwitterを経由して、東京駅からDIC川村記念美術館まで、高速バスが出ていることを知りました。しかも、トイレ付き(渋滞も大丈夫!)

東京駅八重洲北口から徒歩5分の場所にある「京成バス 3番のりば」バス停から、「マイタウン・ダイレクトバス」へ。バス停は、パスタ屋さんの五右衛門、エクセルシオールカフェの間にあります。

交通費は現金、ICカードともに、1340円(2019年5月31日現在)

ただし、1日1本。東京駅八重洲口9時55分発(2019年5月31日現在)、帰りのバスはDIC川村記念美術館発15時29分発(2019年5月31日現在)。

バスの時間は変更がありうるので、美術館の公式ホームページでご確認ください。

kawamura-museum.dic.co.jp

 

普段は数名しか乗らないバスだそうですが、私が乗った際は、他の停留所で何かイベントがあったらしく、7割くらいの席が埋まる程度には人が並んでました。

 

▼後ろからしか撮影できませんでしたが、レンブラント作「広つば帽を被った男」が連れて行ってくれるのです!

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1時間ほどで到着!

ヨーロッパのような光景の中に佇む美術館

▼入り口です!

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▼この池は、あの本に載っていた、、、

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 ▼青い日記帳のTakさんの「カフェのある美術館」シリーズ第二弾でご覧になった方も多いのでは?

カフェのある美術館 感動の余韻を味わう

カフェのある美術館 感動の余韻を味わう

 

 ▼レストランやショップを通り抜けて、美術館に到着

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入り口の部屋には、「作品と人を結びつける」という想いの籠ったモチーフがたくさん! 

最初の部屋には、2つの円がつながった中に、かわいいお花のステンドグラスが!このお花のステンドグラフをモチーフにしたグッズが売られてましたが、女性に人気がありそうです。

また、天井には布でできた花が!

「光の花」と呼ばれる作品で、なんとあの川島織物さんが制作されたそうです。川島織物さんを知ったのは最近。そう、あの明治150周年の皇室の展覧会です。 

mooi-desu.com

 超絶技巧と言ってもいいような、絵画にしか見えない織物技術。川島織物さんは京都に美術館もお持ちのようなので、訪問してみたいですね。

www.kawashimaselkon.co.jp

床にも重なり合う円が。

ガイドツアーの方によると、「作品と人を結びつける」、「インク技術を以って、人々を結びつける」というような意味があるそうです。

最初の部屋だけで、来た甲斐がありました!

最初の部屋には、ほとんどの方が知ってるような有名な画家の作品に囲まれています。モネ、ルノワール(初代社長さんのお気に入り作品)、ピサロピカソマティス、キスリング、シャガール・・・と蒼々たる顔ぶれの作品が並んでいて、写真撮影不可なので、下記のリンク先をご参照ください。

コレクション - 印象派とエコール・ド・パリ | DIC川村記念美術館

モネ「睡蓮」は、赤と青の花が、比較的くっきりと描かれていて、私が好きな睡蓮でした(赤と緑が強い睡蓮の作品は、ちょっと苦手)。なんだか既視感が、、、と思ったところ、同じ構図で14点ほど描かれてるそうで、現在工事中の ブリヂストン美術館の所蔵作品も同じ構図だそうです。既視感に納得しました。

川村記念美術館の《睡蓮》は、黄色味がかっていて、時間帯は昼。

ブリヂストン美術館の《睡蓮》は、私の大好きなピンクがかったラベンダー色で、 夕暮れか朝焼けを表してるそうです。

 

 ▼モネの作品が詰まっていて、読みやすかったのは、今年の3月頃に発行された、こちらの本。著者は、三菱一号館美術館の安井裕雄学芸員

モネ作品集

モネ作品集

 

 ▼上の本はA4より大きいので、作品は観やすいのですが、大きすぎて本棚に入らないよ、って方は、こちらがA4サイズでおすすめです。こちらも著者は同じ、安井裕雄学芸員です。

もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 モネの《睡蓮》だけで、こんなに喜んでしまいましたが、この部屋だけでも「来た甲斐があった〜」と思ってしまいました。

最近、マイブームのシャガール作品も2点。
シャガールダビデ王の夢》では、ユダヤの教えを生涯守ったというシャガールが、結婚式のカップルを描いていて、頭の上にはユダヤの結婚式で使われるという、赤い天蓋が描かれてます。また、サーカスの光景も(結婚式の背に!?)。 シャガールにとってサーカスは、総合的エンターテイメントであり、実際に、舞台や舞台の衣装も手掛けていたそうです。シャガールの少年時代の故郷の村と、第二の故郷としていた、パリの街並みも背景に描かれてました。

作品名のダヴィデは、旧約聖書ダビデ で、巨人ゴリアテを倒した伝説や、ミケランジェロの《ダヴィデ像》で有名なダヴィデさんです。なんと、強いだけでなく、 竪琴の名手でもあったそうで、作品の中では、竪琴を弾いてる様子が描かれてます。

隣には、《赤い太陽》という作品もありますが、こちらも花嫁花婿が描かれおり、逆さまに描かれてますが、赤い天蓋も確認できました。同じモチーフを好んで描いた画家なんですね。

レンブラント作品にめっちゃ近寄れる! 

次の空間(部屋ではない)には、レンブラント《広つば帽を被った男》が!あの高速バスに描かれていた作品です。

この絵が描かれた17世紀は、オランダのアムステルダムが 国際商業都市として黄金時代を迎えており、市民が力を持っていました。当時のオランダはプロテスタントが信仰され、偶像崇拝が禁止されていたので、裕福な商人に依頼された肖像画が多いです。この男性、調査によって、20代後半とわかったそうですが、40代かと思ってましたが、近づいて見てください。

オランダの美術館並みにめっちゃ近くに寄れる!

ので、肌艶が良い、若者だとわかります。羨ましいです。400年経過しても、つやつやです。

また、当時のオランダの特産物であったレースが、巧みな速いタッチで描かれてるのに繊細で、離れてみたときと、近くで見た時で、全く印象が違います。このような肖像画は、だいたい、夫婦でペアで作られているのですが(オランダに住んでいたときに知った)、こちらの方の

奥様は、アメリクリーブランド美術館に所蔵されていて、以前、200年ぶりに再会されたそうです。夫婦でペアの作品は、なるべく一緒に所蔵してほしいなあ、と感じてしまいました。

それにしても、レンブラント作品の近くに寄れるなんて、オランダを思い出して、うるっとしてしまいました。近くに寄らないと見えない筆使いが見えます。

 ▼とりあえず、「もっと知りたい」シリーズは安心。

もっと知りたいレンブラント―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいレンブラント―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

現代作家の作品

ジャスパー・ジョーンズ「ハイスクール」は、靴の絵なのですが、一部に鏡がはめこまれており、自分が映り込むことで、青春時代を懐古してほしいのかな、と想いを巡らせてしまいました(空想)。

ミュージアムショップで販売されていたポストカードにも、鏡がはめこまれてました。素敵!

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こだわりの画家の作品のためだけの部屋(「ロスコ・ルーム」)

マーク・ロスコ《シーグラム壁画》の部屋という、不思議な部屋があります。

シュールレアリズムの影響を受けていた画家で、色面を使った抽象的な作品を作って、急に高く評価され、戸惑いからか、展示の際は、床から何cm、明るさ、他の作家とは分けて展示されてほしい、などの要求が多かったそうです。

この部屋には、ニューヨークのレストランの一室に描かれたものの、ロスコがレストランの雰囲気が気に入らず、キャンセルして、手元に持ったまま亡くなったという作品を展示しています。

室内が暗めなので、目が慣れるまで、ソファにかけて休憩(?)すると良いかもしれません。暗めの空間に、ぼーっと浮き上がる作品は独特な雰囲気で、部屋全体が「ロスコ!」という感じ担っているのだと思います。実際にロスコは、「私は絵画を作ったのではなく、場を作ったのだ」と言っていたそうです。

この「ロスコ・ルーム」、世界に4室しかなく、アメリカに2箇所、ロンドンに一箇所、そして、千葉県佐倉市のここ!なんですって!

“…I paint very large pictures. I realize that historically the function of painting large pictures is painting something very grandiose and pompous. The reason I paint them, however – I think it applies to other painters I know – is precisely because I went to be very intimate and human. To paint a small picture is to place yourself outside your experience, to look upon an experience as a stereopticon view a reducing glass. However you paint larger picture, you are in it. It isn’t something you command.”

ラトビアにある!DAUGAVPILS MARK ROTHKO ART CENTRE"のサイトより

 

フランク・ステラの作品が多い

フランク・ステラ。全く知らない画家でしたが、この美術館に来たら、注目せざるを得ない画家です。作品が大きくて、たくさん所蔵されてる上に、目立つんですから。

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「あなたは作品そのものを見てるんですよ」という言葉を残しています。余計な

エピソードや作家の意図するものは、鑑賞者には関係ない、と考えていたそうです。MoMAにも展示されていて、私もおととし、MoMAを訪れた際、フランク・ステラの名前は忘れてましたが、作品は覚えてました。目立っていたので。
いろんな縞を描いた結果、四角い部分が残り、その部分のキャンバスを切って除くことで、キャンパスが変形型になったそうです。暗い色は後ろ、明るい色は手前に見える、という色の実験も行なっているせいか、派手な配色です。

 

現代日本画家

日本のシュルレアリスムの第一人者の滝口修造の《吸取紙》という作品が5点もあったり、昨年の横浜美術館の「駒井哲郎」展でも展示されていた、山口勝弘さんの作品も展示されていました。《ヴィクトリーヌ 海のシンフォネット》という作品でしたが、山口さんの作品は、すりガラスから見える世界がとても好きです。

所蔵品が豪華かつ、ボリュームもかなりの量なので、余裕をもって来館した方が良さそうです。

まとめ

  • 家で音声ガイドアプリをダウンロードしておくと便利。
  • 東京駅八重洲口からDIC川村美術館入り口までの高速バスを利用すると便利
  • 入り口の部屋にはステンドグラスを始め、「作品と人をつなぐ」というメッセージのモチーフが多いので、天井も見てみましょう
  • 所蔵品だけでも豪華な上、ボリュームがすごいので、余裕をもって来館されることをおすすめします。