アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

【雑記】少し羨ましかった「美術館女子」への批判の嵐

リケジョと呼ばれるのが大嫌いなMooiです。法学部からいわゆる理系の学科に編入学した際、女性が理系を専攻するだけで差別されることを知りました。。。

 

今回、「美術館女子」という造語が使用され、実際に記事を読んだ第一印象は、作品よりもアイドルの写真中心なので、「この人のファンを美術館に呼び込みたいのかな。」という印象を受けました。

感想が「オシャレ」と「アートってすごい」のみで、個々の作品から感じた言葉がなく、「残念な企画」とも思いました。

この記事を読んで、美術館に向かいたいと感じたひとはいたのでしょうか。。。ファンなら見に行きたいと感じたのでしょうか。うーん。

▼なぜ議論を巻き起こしているのか、実際の記事を読んでみました。

www.yomiuri.co.jp

▼偶然、この議論が出た次の日に午後休を取得して、東京都現代美術館に。。。

「ドローイングの可能性」展の 盛圭太 《Bug report》。展示会場で下書きなしで、グルーガンと紐で制作。コンピュータのバグを表示する「バグレポート」を意識してるとのこと。

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この記事に対して、twitter上で、批判しているつぶやきを多く見かけました。

 ▼たしかに企画に「美術館連絡協議会」って書かれてる(気づかなかったし、その協会を知らなかった)。

▼美術館連絡協議会という団体が想像より大規模で、長い間、読売新聞と連携して、芸術、文化の向上、発展を目的にした団体だと知りました。学芸員の海外派遣もしているようです(そうなんだ〜。)。

美術館連絡協議会(美連協)は、全国の公立美術館が連携を図り、芸術、文化の向上および発展に資することを目的に、1982年12月に設立されました。読売新聞社日本テレビ放送網等の呼びかけに賛同した35館で発足しましたが、現在は、47都道府県の公立美術館約150館が加盟し、全国的に活動を展開しています。

birenkyo.jp

 ▼「◯◯女子」という呼称に呆れているひとも。私も今ではそちら側かも。

 ▼「美術館ナンパ」が存在することも知り、衝撃を受けた。

▼美術館ナンパが紹介されている雑誌まであったのか。。。ソーシャルディスタンシングが叫ばれてる今は無理なナンパ法に。

— ℕ (@upp8uvSZhG8sORg) 2020年6月14日

 

▼実際に美術館に通っていたひとが、再訪しそうな予感を感じるtweetも発見し、同じ記事でもひとそれぞれ、感じ方が違うことを再認識し、クールダウンできました。このtweetの男性に感謝したい。

 ▼そして、「美術館の擬人化」という大喜利へ向かっていった。。。各美術館の特徴を捉えていて面白かったのですが、森美術館がイケイケにされてる例が多く、「六本木ヒルズ」のイメージがよくわかりました。そんなにイケイケの美術館ではないけれど。

▼競合他社である「毎日新聞」にも取り上げられている。。。

mainichi.jp

▼いつの間にか「美術館の擬人化」で大喜利状態に。。。

 ▼藝大美術館の熊澤先生も。

 ▼熊澤先生が触れてくださってる平芳先生のfacebookのコメント(長文です)。

美術館と経済の関係についても触れてくださっており、日本だけの問題ではないことにも気付けました。

 

▼web美術手帖が「問題点」について、まとめてくれています。

bijutsutecho.com

引用ばかりになってしまいましたが、twitterで「美術館女子」を検索すると、男女問わず、「女性は無知というステレオタイプを使用してること」を指摘している方が多く、「ジェンダー問題に気付いてる」点に感心しました。

かつて「リケジョ」という単語が生まれても、自然科学専攻の間では議論になるどころか、某大学の先生には「リケジョって、僕の友達が作ったんだけど、いいよね?」みたいに言われ、「差別は無知から始まる」と感じてしまったことがありました。立場上、反論しませんでしたが。

そんな経緯もあり、今回の議論には、twitter上の意見しか見てませんが、老若男女問わず、この企画を問題に感じ、批判している人の多さに、少し羨ましくも感じてしまいました。

大学の男性の先生方も注目して発言してくださってるようでしたし。一方で、「美術と経済」という大きな問題も指摘してる先生もいらっしゃり、自分ひとりでは気付けなかった点も多かったです。

いつか、自然科学界隈でも、「リケジョ」という単語を批判してくれる時代がくるといいな、と思いつつ、「無理だな。」と諦める自分にも気付いたのでした。。。

新型コロナウイルス関係ではデマも多く、SNSの問題点ばかり感じていた数ヶ月だったので、一つの企画に対して、こんなに多くのひとが自由に議論ができるのは、SNS時代の良い点だな、と当たり前のことなのですが、再認識できました。

▼「女性科学者」という単語が不要になる日が来ることを願います。

 ▼大学で理系に専門を変更する人も意外と多いのだけど。。