アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

【ひとりごと】自粛中に読んでいたのは、旅に関する本だった

旅行しなくても意外と大丈夫だな、と思っていましたが、自粛中に読んでいた本を振り返ると、旅に関する本ばかりだったことに気づいたMooiです。

1冊目は江國香織さんの「旅ドロップ」。

 去年、瀬戸内国際芸術祭に行った時、高松駅の駅ビル(というには小さい)の本屋さんで装丁に一目惚れして買った本。
江國香織さんの本なら間違いないから。

江國さんの詩で始まるのが、ただの旅本ではないところ。

帯にある「いきあたりばったりの旅こそ、私たちの憧れだった。」と言う言葉。今では地球上全員の憧れになってしまった、「いきあたりばったりの旅」。

中学の頃からの友達「真里ちゃん」と20歳になって出かけたパリ。

バターパンを食べるためだけに出かけた小倉。

はじめての外国は新宿。

書いてしまうのがもったいないほど、カラフルなドロップのような江國さんの旅の思い出。

サイン会で一度だけ江國香織さんにお会いしたことがあって、緊張しすぎて何を話したかも覚えてないくらいだけど、こういう時代になる前に、江國香織さんに会えて良かった。思っていた通りの空気感の女性だった。

 そして、2冊目は原田マハさんの

「フーテンのマハ」。自称・移動フェチの原田マハさんの場合、旅はもう生活。あまりにも東京にいないので、編集者の方に

「いまどこにいるんですか。」と聞かれ、「自宅ですよ。」と答えると「どうしてですか。」

と答えられたこともあるらしい。

アートの原田マハさんを期待してる人は、途中までは本当にフーテンのマハさんなので、思ってたのと違う、と思うかもしれないけど、途中から、夜のルーヴル、ゴッホのあのカフェ、アイリスなども出てくるので、まだ先になると思うけど、アートを巡る旅を夢見るのにも十分な内容。

ラッキーなことに、昨年、原田マハさんのトークイベントにも参加することができた。明るくてエネルギッシュで、たくさん話してくださる方なので、有名人なのに、「友達になりたい〜」って思ったほど。

 3冊目は岸本葉子さんの「ひとりを楽しむゆる気持ちいい暮らし」。旅だけではなく、ひとり生活を楽しんでる様子が詰まってるエッセー集。鹿に慣れた奈良や牛に慣れたインド旅行、写経もあれば、俳句も。何でも出てくるので、飽きない。

 

4冊目は皆川明さんの「ミナを着て旅に出よう」。皆川さんの若い頃の旅の話(と言っても、パリで働いていた)。
minaができるまでの話や、minaのポリシー、白金台のminaには、スタッフが世界中から買い付けた気に入ったものに溢れてること。そんな、今のminaの服を作ってきた歴史もわかる本。

今年はじめ、皆川明さんの展覧会「つづく」に行き、皆川明さんの講演会で聞いた、皆川さんが陸上選手だった話なども盛り込まれてて、ますますminaに憧れてしまう本。

mooi-desu.com

 どの本も、旅先や不要不急の行動を起こした時の、いきあたりばったりや偶然に溢れている。今は「予約して美術館に行く」「混んでいる時間を避けて出かける」「不要不急の外出を避ける」「会食や飲み会は避ける」新しい生活様式。ついこの間まで、何も考えずに出かけて、何となくお茶したり、何となく友達と会っていたのに、そんな日々はしばらく、いや数年は戻らない。

本を読んでいる間はとても楽しかったけど、もう他の世界の、違う時代の出来事のようにすら感じる。 

思ったよりも、自分は旅を愛していたんだなあとしんみりにしてしまった。でも、読んでいる間は楽しいから、これからも旅に関する本を読んでいく。