アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

【ひとりごと】「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」ヤマザキOKコンピュータ著

毎日がくそつまらなかったMooiです。

ある日、twitterで気になる人を見つけました。今から1年ちょっと前のことです。その方の名前は「ヤマザキOKコンピュータ」さん。アイコンは緑色の髪の毛の若い男性。なんとなくtweetを読んでみたところ、「外見や名前と違って、まともなこと言ってるし、なんだか友達になりたいタイプ。」と直感が。

東京出身者で福岡に移住している(2022年の今は沖縄在住)パンクロッカーの方で、ライブがあるときは東京に戻るような、少し前に流行した多拠点で生活する若者、と印象。

そして、投資家!?

投資家!?

みどりの髪のパンクロッカーで投資家!!

面白すぎる!と思い、早速、フォローし、突発性凝り性なので、ひたすらヤマザキOKコンピュータさんの文章を読んでしまいました。

このヤマザキOKコンピュータさん。とにかく文章がわかりやすい。

 経済音痴のMooiに経済に興味を持たせてくれたパンクロッカーであり、投資家であるヤマザキさん

私はびっくりするほどの経済音痴なのですが、ヤマザキOKさんのお蔭でiDeCoETFにも興味を持ち、始めることができました。

ヤマザキOKコンピュータさんが所属されていた「サバイブ」というお金の話をゆるく教えてくれる会社のサイト。Mooiが大好きなデイリーポータルZの「お金版」て感じ。とにかくフレンドリーな見た目なので、友人から「投資とかNISAとかiDeCoってなんだろ?」って聞かれたときは、「サバイブ」のサイトをすすめてます。

www.survive-m.com

▼サバイブ退職後(?)、noteも始められた模様note.com

新刊「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」はAmazonでなく地元の本屋で買おう

そんなヤマザキOKコンピュータさんが本を出版されると知り、ヤマザキOKさんの告知にあった「応援したい近所の本屋さんで予約してくれると嬉しい」(うろ覚え)というような助言通り、近所の書店に予約し、発売日を待ってました。

発売初日どころか数日、届かなかったけどね。。。

本のタイトルも「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」

▼投資本とは思えない表紙。

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▼あえて熱帯雨林ではなく、京都の恵文社一乗寺店のリンクを貼っておく。

www.keibunsha-books.com

▼出版にあたり、ツイキャスもされていた模様。

twitcasting.tv

タイトルも投資の話とは思えないですし、表紙のイラストもキモカワイイ感じで、とても巷の投資本と一緒に並んでいるようには見えない、この本。

「はじめに」が熱い

本の「はじめに」は、つまらないことも多いのですが、この本は違いました。

自分たちが笑って生活していくために、お金をどのように使い、どこに預けるのか、全てじぶんの意志で選び取っていきたい。

お金持ちになるための投資の本ではないのです。いわゆる「億り人」になるための本ではない。

ヤマザキさんの投資の基本にある考え方が「パンク」。彼にとってのパンクは、私が思っていたパンクとはずいぶん違いました。

重要なのは「Do it yourself」と「Anyone can do it」の精神で、つまり自分でやるってことと、誰でもできるってこと。それ以外はなんだっていい。

パンクってDIY精神をもって、誰でもできるってことだったんですね(ヤマザキさんの解釈では)。パンク視点の投資の本なんて、前代未聞です。たぶん、今後も、そんな投資本が登場することはなさそうです。

「はじめに」だけで「随分、面白い本に出会えたみたい。」と笑っていましたが、読み進めるごとに、パンクな投資の考え方にぐんぐん引き込まれていきました。

地球問題も考えるパンクな投資

この本に何度もでてくる「くそつまらない未来」。荒れた言葉のように感じるひともいるかもしれませんが、私も日々、ひしひしと、悪くなっていく社会を感じています。自分がいわゆる就職氷河期世代(ロストジェネレーション)で被害妄想が強いのもありますが、地球温暖化は進んでいるし、少子化は進んでいるし、街中にあった個人商店はなくなり、格差社会という単語も定着してしまっています。

ヤマザキOKさんは自分よりも10歳以上若い方ですが、同じように、好きだった個人商店がなくなり、チェーン店ばかりになったことに違和感を感じています。ただ、私と違うのは、そこで卑屈になるだけでなく、この時代の良い点も認めて、

いつも未来を考えて楽しく生活していれば、世の中はちょっとずつよくなってしまうかもしれない。遊びまくろう。

 と書いています。そんなことはできるのだろうか。少し考えて読み返しました。

「未来を考えて」というのが大事な点のようです。

お金がたくさんもらえたり、無料で物が手に入ったりするとしても、地球環境を著しく破壊するようなことや、その手助けになるようなことならばお断りだ。それは尻拭いを自分じゃない誰かにやらせることであって、自立した人間のやることではないと思っている。そんなことを続けていたら、自分の中のパンク像からかけ離れてしまう。

そして、こう続きます。

少なくとも俺にはお金とは交換できない部分がある。それは「お金よりも大事なもの」ってことじゃなくて、別の次元に存在しているって感じだ。

お金とは交換できない信念(たぶん、パンク)があって、それが投資の考え方にもつながっていて、ヤマザキさんは「好きな会社に投資する=社会に対する投票」と考えている。お金を増やすことが絶対的な目的ではないようです。

そしてお金との付き合い方について、「カクサ」「オセン」という二匹の竜に喩えて、今まで読んだことのないような、投資と環境問題、今、流行のSDGs(ファッションではなく、本当の)につなげていく流れは、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』や『モモ』を読んだ時に似た気持ちにになりました。投資の本なのに。

お金と共存する

お金と共存していく方法として、テクノロジーやシステムによる改善も提案されているけど、一番取り入れたいと思ったのは

あらゆる買い物に意志を乗せる

という考え方です。その考えのきっかけになったのが、ヤマザキさんが子供の頃、通っていた近所のお弁当屋さん「たきたてマック」の話。意志を乗せない買い物をしていたために、「たきたてマック」という、美味しいお弁当の店が閉店してしまったそうです。この経験が、投資家としてのヤマザキさんの原点のようで、現在でもメールアドレスに「たきたてマック」の名称を入れているほど、初心を忘れないようにされています。パンクです!!

そして、私がtwitterで知った頃には移住していた、福岡県での心豊かな生活の話へ。私同様、東京で育ったヤマザキさんには福岡県の家賃の低さは衝撃だったらしい。私がヤマザキさんのtweetを追っていくようになったのも、福岡県の家賃の安さに驚いたからだったと思います。

そして、日本人の多くが抱く投資家=お金に汚いというイメージで、投資家を名乗って活動してから、色々言われたり、twitterのフォローを外されたようです。

「俺たちの貯金は戦争に行かされているかもしれない」

なんとなくメガバンクに給与を振り込んでいることが、クラスター爆弾の製造会社に投資されているかもしれないというのはショックでした。

何も知らない、知ろうとすらしなかった自分に、情けなさすら感じます。

「世界への意思表示としてのお金」と言う考えが全くなく、メガバンクでどこにでもあるから、ATM手数料が安いから、通帳のスヌーピーがかわいかったから(!)、そんな理由で銀行を決めていました。

sustainablejapan.jp

そして生活の見直しへ

投資の本なのに、いわゆる投資銘柄などはほとんど出てきません(笑)。ほぼ唯一(?)に近い銘柄情報では、障がい者雇用率が10%を軽く超える企業名が上がっています。国は2.2%を目標にしているのですが(キャリアコンサルタントの試験で学んだばかり)、その目標に達してる企業も少ないので、驚くべき数値です。ヤマザキさんはこういう企業を応援したいそうです。

そう、また記載しておきますが、大幅に儲ける投資の本ではないのです。

生活費の見直しをして、リスクを考えてからの投資がパンクの投資。そして、「たきたてマック」のような、唯一無二のお店のような「お金より大事なもの」を忘れない。目的は、未来を楽しくすることなのです。

このひとは周りに感謝している

ヤマザキさんの本を通じて感じたのが、この方は常に、地球環境、好きなお店や会社、女手ひとつで育ててくれたお母様。周りに感謝しているところです。

好きなお店が残って、環境問題が悪化しないようにして、自分のお金が戦争や核に使われないようにして、「くそつまらない未来」が来ないようにするために、一般人が大事な物を忘れずに、ささやかに行動することが、明るい未来を作っていく。そんな、ミヒャエル・エンデの本を読んだ後のような気持ちになる、不思議な投資の本でした。

私には難しい章もあったので、付箋を貼っておいて、そこは調べたりして、読み直すことになりそうだけど、投資を始めるにしろ、しないにしろ、まずは明日からの買い物に、意志を乗せたいと思います。

→2022年3月現在、この本に出会う前よりも、パッとお金を使うのではなく、少しですが、ゴミにならないか、この綿はどこから来たのか、考えるようになってきました。

たまに喫茶店に入って、すぐに紅茶やコーヒーを飲んでボーッとしてしまいますが。遅くまで起きていて、光熱費も高いですが。

▼ミニマリストの代表みたいな佐々木典士さんも書評を書かれてました!私のブログより先に読んでほしい。minimalism.jp

▼すごい分析されてる書評。

この方も「ヤマザキOKさんのファンに違いない」と思って、嬉しくなりました。tekitoutoushi.blogspot.com

ヤマザキさんのファンになったきっかけなど

ヤマザキさんの「サバイブ」の記事やtweetで、遅まきながら、お金に関心を持てたので、質問boxか何かに、お礼のメッセージを書いたことがありました。「40代ですが」という前置きを書いた記憶があるのですが、ヤマザキさんから「40代で20代のこんな俺から学ぼうとしてくれたことがかっこいいです」みたいな返信をいただきました(うろおぼえですが。)。自分では全く意識していなかったのですが、年下の人から学ぶって姿勢を「かっこいい」って褒めてもらえて、とても嬉しかったです。私は単純なので、「まだ自分でも新しいことやれるのかも。」みたいに思えました。年齢に関係なく、どの人も自分が経験していない経験をされてるので、常に何かを教えてもらってる、という気持ちで接していますが、ヤマザキさんの投資の考え方というのは、「お金の話をするのは汚い」という考えを払拭してくれました。うまくまとめられませんが、投資の本というより、今と未来を楽しく過ごすための意思表示の方法を教えてくれる本でした。

女性の手にも収まるような小さな本に、世界の問題から、街中のお弁当屋さんの話まで詰まっていて、満腹感のある本です。

 ▼ご本人による本の紹介

熱帯雨林のレビューもかなり高い。

[blogcard url="https://www.amazon.co.jp/dp/B08BR7MNNN/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1"]

 ヤマザキOKコンピュータさんご自身がまとめてるポートフォリオはこちら! 読みやすい文章なので、普段、読書をしない方も読めるかも。

[blogcard url="https://yamazaki-ok.com/puter/"]