今年は例年になく、映画館や自宅で映画を鑑賞したのですが、今までになく、実話を元にした映画もよく見ました。
特に印象に残っているのは、この2本。
1)『薬の神じゃない!』
2014年で中国に起きたニセ薬事件(通称「陸勇事件」)を元にした映画です。当時、中国では白血病の薬のジェネリック品は承認されておらず、高価な薬しかなく、患者さんたちが困っていたそうです。その患者さんたちの中に、白血病の薬のジェネリック品をインドから不法で個人輸入していた陸勇さんという方がいて、善意で他の患者さんにも転売していたそうです。もちろん、犯罪なので、見つかって逮捕されてしまったそうですが、国民の反対もあり、釈放嘆願書によって、2015年に起訴は取り消され、釈放されたそうです。
この現実の事件を元に、主人公を患者にせず、冴えない薬屋の店主にすることで、薬価に徐々に疑問を持っていく一般人の視点、患者、家族の視点から、上手く描いています。
「薬の神じゃない!dying to survive」、患者さんが命がけで薬の密輸を依頼したり手伝ったりする姿と、それに打たれて儲けなしで密輸を請け負う主人公もすごかった。実話に基づく映画と知り、その後の展開も興味深かった。https://t.co/aKCqLBEz0g
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年11月1日
ストーリーはもちろんですが、俳優さんたちの個性豊かな演技に引き込まれます。
主人公は中国を代表する俳優さんなので、素敵なのはもちろんなのですが、脇役の俳優さんたちも素晴らしいです。
この子の、たまに見せる笑顔がとても可愛くて、後で実際の年齢は30代だと知ってびっくり!物静かな雰囲気なのに、アクションシーンは素早くてギャップがすごかった。
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年11月1日
主役も脇役も印象に残る人ばかりで、患者それぞれの人生が見えて良かった。 https://t.co/cnamWUadUO
この人の存在感、半端なかった…。俗っぽい感じが患者=普通の人がたまたま病気に罹っただけ、という誰にでも起こり得る現実を表現していて、とても良かった。 https://t.co/Y5uuo1nzj6
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年11月1日
小栗旬に似てると思った人が他にもいて、嬉しい😃 https://t.co/Hcroeyu7Ct
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年11月1日
また、完全に偶然なのですが、この映画ではマスクが重要なアイテムとなっており、「マスクなしの顔」が意味する平和、穏やかさを感じます(ネタバレになるので、ここまで)。
▼長文ですが、映画「薬の神じゃない!」の元となった「陸勇事件」、当時のワクチン事件について、丁寧に紹介してくださっている、素晴らしい記事です。
▼参照にした「日経ビジネス」の記事
▼1月3日には先行デジタル配信もされるそうです!
2021年3月3日(水)に
— 薬の神じゃない! (@kusurikami) 2020年12月18日
DVD&レンタル販売が決定いたしました!
2021年1月3日(日)には、
U-NEXTにて先行デジタル配信を致します!
是非、お正月はご自宅で中国の大ヒット作
「薬の神じゃない!」お楽しみください。
詳細はコチラ↓↓↓https://t.co/XKSaB6jEIA#中国映画#薬の神じゃない pic.twitter.com/NVehqno0uZ
"この世には一つの病気しかない。永遠に治せない『貧困』という病だ"という言葉が、普段から誰でも国民皆保険で治療を受けられる日本では忘れがちなことを考えさせてくれた。#薬神感想 https://t.co/65A2QDYQs0
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年11月1日
2)「タクシー運転手〜約束は海を超えて〜」
緊急事態宣言中付近に、テレビで放送されていて、母親がそれを見て「すごく良い映画だから見て!」と熱心に言うので調べたところ、アマゾンプライムで鑑賞できることがわかり、早速、鑑賞しました。もう、大泣きです。
主人公は映画「パラサイト」や「殺人の記憶」など、映画好きでもない私でも知ってる名優ソン・ガンホ
主人公を見ただけで当たりの映画なのですが、韓国で実際に起きた光州事件(1980年5月)を元にしており、緊張感溢れる内容です。
5月17日の全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕を契機に、5月18日にクーデターに抗議する学生デモが起きたが、戒厳軍の暴行が激しかったことに怒った市民も参加した。デモ参加者は約20万人にまで増え、木浦をはじめ全羅南道一帯に拡がり、市民軍は武器庫を襲うと銃撃戦の末に全羅南道道庁を占領したが、5月27日に大韓民国政府によって鎮圧された
当時、戒厳令によって、陸の孤島と化した町で起きた、軍による制圧に関する情報が他の地域には全く伝わらなかったそうです。そんな状況下でも、光州事件の現場を取材し、世界に真実を伝えたドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーターと、彼をソウル市から光州市まで危険を顧みずに送迎したひとりのタクシー運転手キム・サボクの話が中心となっています。あまり書いてしまうとネタバレになるので避けますが、泣いてしまうシーンばかりです。
▼アマゾンプライムでStay homeで鑑賞できます。
▼監督のインタビューも興味深かったです。
▼主人公のモデルになったキム・サボクさんによると、実際は映画と違い、語学も達者な知的な運転手さんだったので、外国人の送迎もできたそうです。冴えないタクシー運転手のオッサンに勘違いされたら、確かに嫌ですよね。
どちらの映画も患者さんが出てくるのは共通。いつでも病院に行って、健康保険で安く治療を受けられてきた状況に改めて感謝するようになりました。