コロナ禍で家にいる時間が増え、アマゾンプライムで映画を見る機会が一時的に増えました。今までプライム会員になっても、ほとんど使用しなかったのですが、改めて便利なサービスだなと感心しています。また、緊急事態宣言が解除された後、映画の鑑賞券を数枚持っていたので、「半分の人数なら大丈夫かな。」と思い、今までは年に一度か二度しか行かない映画館にも足を運びました。
備忘録も兼ねて、今年見た映画の感想などを連ねていきたいと思います。
1)「なぜ君は総理大臣になれないのか」
今年一番考えさせられた映画です。
上映時は無所属、その後、立憲民主党の議員になった小川淳也議員を17年間追ったドキュメンタリー映画です。監督は大島渚監督の息子さんである大島新監督で、映画のナレーションもされてますが、監督の声もまた、映画に深みを与えてました。
政治家になるにはあまりにも生真面目な小川議員の姿がもどかしく、「政治家に向かない」と思いつつも、支えるご家族や周りの方々の姿には胸を打たれました。
生真面目な小川議員らしく、東京での最終上映日12月28日にやっと鑑賞され、舞台挨拶をされました。舞台挨拶のみ、youtubeで無料鑑賞できます。
この映画、上映中にも関わらず、オンライン上映(有料)も実施し、「聴覚障害者に配慮し、字幕付き」したことでも話題になりました。
また、映画本編は、アマゾンプライムビデオ等でも鑑賞できるようになりました。
ブログでも紹介させていただきましたが、都知事選前日に見たせいか、余計に心に迫ってきました(小池都知事も出演されているので)。
2)「はりぼて」
富山市議会の不正を追ったドキュメンタリー映画です。市議14人がドミノ退職したにも関わらず、都民の私は全然記憶になく、いかに政治に「無関心で、政治家が謝罪したら赦す」有権者なのか、痛感しました。自分たちの代表なのにね。
3)「ムヒカ 世界で一番貧しい大統領から日本人へ」
こちらも政治家の映画なのですが、上記2本と異なり、救われる思いがする場面もあります。ムヒカ元大統領の映画は数本ありますが、こちらは日本の普通の男性(田部井監督)視点で追っていったドキュメンタリー映画で、田部井監督の実直さが良い味付けになっていると思います。東京外語大で学生を対話をしているムヒカ元大統領の「政治を信じていないのだね。」に対し、国民の多くが政治に失望して選挙にすら行かなくなった日本の異質さを痛感して胸が痛かったです。優しそうなおじいちゃんにしか見えなかったのですが、眼光鋭い時があり、今までメディアによる刷り込みを信じ込んでいた自分を感じました。
田部井一真監督と大島新ディレクターの舞台挨拶を見ることができました。
4)ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン
昨日12月29日に98歳で他界された、偉大なデザイナー・ピエール・カルダンさんの半生を追ったドキュメンタリー映画です。どの場面も絵になりますし、カルダンさんの「私は常に野心を持っている。」という発言通り、次々と新しい事に挑戦していくエネルギッシュな姿には、ただただ驚くばかりです。
10月4日に他界された高田賢三さん、森英恵さんなど、日本の有名デザイナーもコメントを寄せており、カルダンさんの影響力を感じます。
カラフルな衣装とカラフルな人生!!元気をもらえる映画です。
鑑賞中は新型コロナのことなどすっかり忘れてましたが、高田賢三さんのコメントには、館内の鑑賞者からため息が漏れていたのが印象的です。
98歳のピエール・カルダンが今も仕事に前向きどころか、攻めてる姿勢がかっこよかった。
— Berlaarstraat (@Berlaarstraat1) 2020年10月30日
高田賢三さんが映った瞬間、会場の至るところから溜め息が…。
それにしても、マキシムへのリベンジは痛快😅
元気をもらえる映画! pic.twitter.com/yzSEPg8nKL
今年、映画館に足を運んで鑑賞した映画はどれもドキュメンタリー映画でした。特にドキュメンタリーを選んでいたわけではないので、振り返って驚いています。
コロナ禍でリアルな体験をすることが少なかったので、「生の人間」に飢えていたのかもしれません。エネルギッシュに新しいものを生み出していくひと、苦悩しながらも政治の世界で生きていくひと、有権者を裏切ってコロコロと発言が変わる政治家、どの被写体の方々も良い意味でも悪い意味でも、人間らしかったと思います。
明日で2020年も終わりですが、振り返りつつ、来年に向かいたいと思います。