アーモンドの花を探しに

アムステルダムに住んでいたのら博士(理学)のMooiが好きなことやひとりごとを書いてます。2020年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、お役に立ちたいと考え中。

【大田区】名作展「時代を描く 龍子作品におけるジャーナリズム」は、 コロナ禍こそ感じてほしい、写真を超えた絵画のジャーナリズム!  

緊急事態宣言下とはいえ、少し気温が上がり、気が緩みそうな自分に呆れているMooiです。

年明けの実感もないまま、あっという間に梅の季節になってしまいました。2年前のように、友人とくっついて、池上梅園で梅を鑑賞することは難しくなってしまいましたが、今年も龍子記念館に行ってきました。

▼2年前は、友人のケロケロみんさん、Yさんとキャッキャしていたなぁ。

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展覧会概要

現在開催中の展覧会は、以下の通りです。

名作展「時代を描く 龍子作品におけるジャーナリズム」

会期:令和2年12月19日(土)~ 令和3年3月21日(日)

開館時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)

入館料:一般:200円  小中学生:100円
※65歳以上(要証明)、未就学児は無料。

コロナ禍には嬉しい駐車場を併設している美術館でもあります。

詳細は公式ホームページでご確認ください(最近、リニューアルしました!大田区、頑張っている!)。

[blogcard url="https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi"]

日本画家・川端龍子(かわばたりゅうし1885-1966)は、「大衆と芸術の接触」を掲げて、戦中、戦後の激動の時代、大衆の心理によりそうように大画面の作品を発表し続けました。そして、「時代を知るがゆえに、時代を超越する事が出来る」という考えから、これまで日本画で描かれてこなかった時事的な題材を積極的に作品化しました。それらの作品には、龍子が画家となる前に新聞社に勤めていたことから、時代に対するジャーナリスティックなまなざしが強く表されています。

龍子記念館ホームページより

龍子記念館の入口 高床式(?)になっています

今回の展覧会は、コロナ禍の今こそ、見て欲しい展覧会となっていました。新型コロナが流行して1年が経過し、ワクチンも登場していますが、不安な日々に変わりはありません。

過去にも人類は、大きな戦争、台風などの災害を乗り越えてきました。その時の様子を龍子独特の視点から、ダイナミックに、新聞や写真とは違う形で後の世に伝えています。災害の恐ろしさを感じる作品からは、まるで龍子に「戦争や災害を忘れるなよ。でも、それらを乗り越えたから今があるんだぞ。頑張れよ。」と言われてるようにも感じました。戦争や災害の恐怖だけでなく、応援も感じるような感覚を与えてくれます。ガラス越しでなく、生で作品を見られるからかもしれません。

コロナ禍で足を運べない方も多いと思います。龍子記念館では、積極的に解説の動画を作ってくださっているので、そちらでも龍子作品を楽しんでいただきたいと思います。

会場にはQRコードが設置されており、木村学芸員のオーディオガイド(youtube)を聴きながら鑑賞できるようになったそうです。イヤホンをお忘れなく!

▼綺麗な青色と白、金泥にも関わらず、恐ろしさを感じる作品。竜巻で空中に舞い上がってしまった魚達が落ちていく様子を描いてるそうで、実物を見ると、結構、怖いです。

▼個人的にホッとした作品。どんな状況にも負けずに汗水を流して働く人たちから元気をもらった気がしました。

横山大観の追悼として描かれた28mに及ぶ大作。額装されて、壁に展示されているので、とても鑑賞しやすいです!
追悼とはいえ、「逆説」と題名につけてしまうあたりに、龍子が反逆児と言われた所以も感じます。私は多摩川近くに住んでいるので、子供の頃に見た、多摩川決壊の思い出し、ドキドキしました。最近の気候変動で、この作品のような惨事が起きないよう、少しでも備えなければ。

ユニーク大田バーチャルミュージアムで、おうちからも鑑賞できるように。

大田区民の私も驚いたのですが、最近、龍子記念館の作品の一部が、ユニーク大田バーチャルミュージアムでも鑑賞できるようになりました!

龍子公園は大田区のオアシス。龍子デザインの素敵な旧邸宅とアトリエには、数多くの植物が植えられていて、四季折々、違う表情を見せてくれます。今ではすっかりリピーターです。

また、龍子の旧宅は、龍子公園として、決まった時刻に公開されていますので、ホームページより時刻をご確認ください。2月中旬に訪問した際は、白梅が見頃になっていました。龍子の作品には植物や野菜が生き生きと描かれていますが、ご自宅のお庭にたくさんの種類の植物を植えたり、戦時下では畑も作っていたからなのでしょうか。

丸三角四角を組み合わせて作られた「全体」を表す蹲(つくばい)。手前は自宅、蹲の先はアトリエになっています。ここで気持ちを仕事モードに切り替えたのかもしれません。

リュウノヒゲの実。龍子公園を案内してくれた友人が見せてくれました。
ラピスラズリのようなハッとする青さです。

「会場芸術」と揶揄されたこともある川端龍子の作品。大きな作品が多いので、コロナ禍の今、他の鑑賞者と近くことなく鑑賞できます。みんなで安心して鑑賞できる「会場芸術」。色々なサイトや資料では、「画壇の反逆児」と表現されていますが、たくさんのひとが平等に鑑賞できるよう、配慮してくださったのかもしれません。大きな作品を描くのは、体力的にも精神的にも大きなエネルギーが必要だったと思います。

龍子記念館に入ってすぐのところに龍子の像があるのですが、意外なことに小柄な方でした。全身を使って描かれてるところを想像すると、以前よりも親近感が湧いてきます。

今年に入り、名物学芸員の木村さんによるギャラリートークも復活しています。次回は令和3年3月21日(日)11:30~、13:00~となっています。

25名までですが、まだ間に合うかもしれないので、気になる方は申し込んでみてください。

申し込みフォーム

実は駐車場がある、数少ない都会の美術館だったりする!

かなり広い空間、事前消毒、大きな作品なので他の鑑賞者とソーシャルディスタンシングが取りやすい、駐車場併設など、コロナ禍でおすすめの美術館のひとつです。